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EquaL 迷宮の国のアリス 文庫版 volume.3一般向 |
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1000円
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装丁:カラー / A6 / オンデマンド (362 P)
重量:220g(風袋15g) |
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| 発行日:2009年04月05日 |
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著者:踝 祐吾 表紙・本文イラスト:ドンネルシュタイン(跡地299(仮)) 解説:羽住典子(ミステリ愛好家・from 探偵小説研究会)
意味が分からないまま、呟く。 「どういうことだよ……」 そして、誰にも聞こえないように、誰かには届くように、大声で怒鳴り、放った。
「説明しろ……津嶋勇喜ッッ………… !! 」
「正義の鉄槌なんて下す気なんかない。そんなもの、口に出した瞬間に意味がなくなるんだ」 「津嶋さ……」 アリスちゃんが何事か喚いている。喚いているとしても、俺にはもはやそれが何の意味を為すか全く分からない。それから耳を塞ぐように、携帯電話の電源を切った。これでもう聞こえない。俺は一つ、ため息をつくと空を見上げる。遠い雲。遠い空。空に月は見えず、ただ暗闇だけがそこに広がる。それが俺にとっての景色。原風景。そして、すべての始まりだったのだろう。 事件はまだ終わっていない。この事件は自分が蒔いた種だ。それぐらいは、自分でも分かっているつもりだった。もちろん、元村の死がきっかけだった訳ではない。あの知らせさえ届かなければ、俺は何も知らず、ただのうのうと大学生活を過ごしていただろう。 知らなければ良かった。察しなければ良かった。 おそらくそれは、先ほど電話の向こうにいた彼女が七年前に感じた記憶だ。それは色褪せることなく、今も脳裏に焼き付いているのだろう。だから、彼女は笑っている。笑えないでいる。本当の笑顔を硬い殻に閉じこめて、すべての心を読まれないように笑っている。その感情を包み込むものはオブラートのような生易しいものではない。あるいは、絶対に開けられない密室。 その密室を開けられるのは誰だろう。少なくとも、自分ではない。しかし──自分の事件と、彼女の事件。この二つが密接にどこかで接続するならば、答えは一つだ。 答えは一つしかない。 すべての答えに、ケリを付けてやる。 そう、テメーの落とし前はテメーでつける。そのつもりで。 静かに、そして堅く、拳を握って。 俺はネオンに背を向け、再び何も見えない街を歩き出した。
(本文より)
容疑者・津嶋勇喜──現在逃亡中。
本格・パスティーシュミステリ文庫化第3弾! 封印された謎が明らかになる衝撃のラスト!
★遺伝子学の天才・芹沢有子の命を奪った連続殺人から6年、犯人は収監され、事件は完全に収束した──はずだった。天才の忘れ形見・アリスの元に集う容疑者たち。そしてほぼ同時に、父の名に導かれるように姿を消した津嶋。再び起こる恐るべき連続殺人に、常にちらつく津嶋の影。彼が失踪した理由とは?そして、オックスフォードから再びもたらされた謎に、推定IQ400の頭脳は『演算完了』を突きつけることができるのか!?「本格偽作推理小説」3部作、書き下ろしを加えここに完結。 |
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