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EquaL // PhantoM - ひなげしのさく頃に -一般向 |
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600円
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装丁:カラー / B6 / オンデマンド (140 P)
重量:165g(風袋15g) |
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| 発行日:2007年12月30日 |
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著者:踝 祐吾 表紙・本文イラスト:ドンネルシュタイン(跡地299(仮))
突然、鵜飼の口調が変わった。何か見てはいけないものを見たかのような──それにつられて、俺は窓の外に目をやった。真っ赤に咲き誇るヒナゲシの花。ぼうっと浮かぶ枯れ桜がヒナゲシの中に立って見える。その真ん中に立つ『それ』は、儚く、あるいは恐ろしくすら思えた。 ──しかし、何かがおかしい。俺はもう一度それを凝視する。空中に浮かぶ白いドレス。青ざめた貌(かお)。表情は見えない。アレは……? 「庄野さんだ」 伊月が目を見開いて、俺の隣でその樹を凝視する。誰かはぱっと分からなかったが、そこには人間が首を吊られている姿が見えたような気がした。 「……やべぇ」 俺は走り出す。階段を一気に駆け下りる。俺のあとに伊月も。 「刑事さん呼んで! 早く!」 鵜飼が指示を出し、アリスちゃんもまた、階段を駆け下りていった。一階からは姉貴と真二兄、若林、渚、筑紫姉妹、それから河村が顔を覗かせる。少し遅れて三枝も俺らの後に続く。 一様に焦りの表情を浮かべ、若林は「どうした?」と駆け寄ってくるが、俺には余裕がない。アリスちゃんが鵜飼の指示通りに若林に簡潔な説明をすると、彼は三枝の後に続いて俺らを追った。 屋敷を飛び出し、走り出した先には花畑。ヒナゲシの花畑をかき分け、その肢体の元へと突き進……もうとした。俺は一瞬足を止める。 「……消えた……?」 改めてヒナゲシ畑を進む俺と三枝。伊月と渚、若林は少し離れたところから俺たちを見ていた。 「なんかあったかー?」 「いいえー」 少し離れたところから三枝の声が聞こえ、俺は否定の言葉を返す。自分の眼前に現れたそれが真実なのかどうなのか、俺には判別が出来ずにいる。悪戯、と言う可能性はなぜか頭から吹き飛んでいた。悪戯で済めばどんなに良いか。しかし、これまでの状況が『そうではない』と警告する。 俺は念のため、周りをよく確認する。辺りに散らされているのはヒナゲシの花々。真っ赤に咲き誇るそれが、更なる悪意の象徴となりうる、そんな気がする。 胃が煮える音がする。ぐつぐつと、はらわたのソレではなく。嫌な予感が自分の中で渦巻いている証拠。空には一筋の光が、すっと流れて消える。 何故だ。 何故だこの不安は。 この抑えきれない不安は何故起こる。 「どうしましたか?」 凪がその場をあざ笑うように、そよそよと花を揺らした。アリスちゃんの問いかけに、俺は聞こえないふりをする。今のは幻だったのか──否、あり得ない。ましてや、ここにいる全員が、同時に幻を見ることなど……! そんな、馬鹿な、とかしか言えない。しかし、それらを全て通り越した不安が俺を襲う。 表現しようのない何かがわさわさと蠢いている。その事実を前に、鼓動が一瞬止まったような気がして、
「…………嘘だ…………」
俺は思わず一言、呟いていた。
(本文より)
【天才少女、絶体絶命──!?】 ヒナゲシが咲き誇る屋敷で起きる連続首吊り殺人! 「惨劇からの挑戦状」の前に、あの少女が帰ってきた!
★「クラッカー式」事件から3年の月日が流れ、津嶋勇喜は大学に残り、芹沢改め若林アリスは高校へと進学した。そんな折、津嶋の姉・氷室美加の旧友の助けに応じ、引っ張り出されてきた二人とアリスの義父・若林刑事。だが、アリスたちの前に立ちはだかったのは「消えた死体」と「連続首吊り殺人事件」! 推定IQ400の頭脳が演算を始め、あらゆる激辛料理が宙を舞う(?)。しかし、悪意の手はアリス自身にも──!? 4年ぶりに復活の『本格パスティーシュミステリ』特別編。「惨劇からの挑戦状」からあなたは逃れることは出来ない!
※本作は「ひぐらしのなく頃に」とは一切関係がありませんのであしからず。 |
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